一括表示の食品添加物 光沢剤




甘栗などの表面がツヤツヤに光っているのを見たことありませんか。

それは光沢剤という添加物を表面に添付しているからです。

光沢剤は主に3つの目的で使用されますので、順番に説明します。

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①食品の表面に光沢やツヤを与え、外見をよくする。表面を光沢のある層で覆った粒状のチョコレートやキャンデーなどに使用。

②食品の表面を覆う(コーティング)ことで外気を遮断し、食品の香りの発散を防いで風味を守る。炒ったコーヒー豆をコーティングして、その香りを逃さないようにすることなどに使用。

③湿気の遮断、保湿、品質維持の効果。ミカンやレモンなどの柑橘系果物の表面を覆う(コーティング)ことで、表面の光沢やツヤを出すのと同時に湿気が果物に入り込むのを防ぐために使用。これは中身の品質維持にも効果がある。

食品添加物としての光沢剤は、大きく次の4つに分類されます。

(1)樹脂状のもの

(2)鉱物性ワックス

(3)植物性ワックス

(4)動物性ワックス

※ 光沢剤がガムベースとして使用された場合には、光沢剤ではなく「ガムベース」と表示されます。

シェラック(セラック)

シェラックは、インドやタイ、中国など南アジア、東南アジアに生息しているラックカイガラムシがマメ科やクワ科の樹木に寄生して樹液を吸い、体外に分泌した樹脂状の物質です。

一般的にシェラックは溶融状態で濾過された後で、生成されます。シェラックには、蝋分(シェラックロウ)を除去していない含蝋品と、蝋分を除去した脱蝋品とがあります。

温時アルカリ性水溶液で抽出し、次亜塩素酸ナトリウムで漂白したものを「白シェラック」と言い、室温でエタノールまたはアルカリ性水溶液で抽出し精製したものを「精製シェラック」と言います。

シェラックの主成分は、ラックカイガラムシの分泌液から抽出した、アレウリチン酸とシェロール酸のエステル、またはアレウリチン酸とジャラール酸のエステルです。

食品添加物としてのシェラックの安全性に関しては、現在の使われ方(食品の表面に塗布して光沢剤としての利用や、柑橘系果物の皮膜剤としての利用)の範囲であれば、安全性に懸念はないとしています。

シェラックの光沢剤としての用途は、ミカンやレモン、グレープフルーツなどの柑橘系果物の表面ワックス、天津甘栗の表面光沢剤、粒状のチョコレートやガム、グミなどの表面コーティング剤として利用されています。

シェラックロウ(セラックロウ)

シェラックロウは、インドやタイ、中国など南アジア、東南アジアに生息しているラックカイガラムシがマメ科やクワ科の樹木に寄生して樹液を吸い、体外に分泌した樹脂状の物質(シェラック)から抽出した蝋[ロウ]分を主成分とする物質です。

ラックカイガラムシの分泌物(シェラック)を、室温のエタノール、あるいは温時アルカリ性水溶液に溶解して、濾液から分離した蝋分だけを取り出したものです。

主成分は樹脂酸エステルですが、明確な成分の規定はありません。(シェラックから抽出した蝋[ロウ]分であれば、シェラックロウと言えます。)

シェラックロウの光沢剤としての用途は、ミカンやレモン、グレープフルーツなどの柑橘系果物の表面ワックス、天津甘栗の表面光沢剤、粒状のチョコレートやガム、グミなどの表面コーティング剤として利用されています。

シェラックロウは、平成7年5月の食品衛生法改正で食品添加物の規制範囲が変更された際に、新たに規制対象になった物質です。

当時の食品添加物は、工場で化学的に合成された “合成添加物” と、自然界に存在している天然由来の物質から抽出された “天然添加物” とに区別されていました。

合成添加物 には非常に厳しい検査や規制が義務付けられていましたが、天然添加物に関しては、法整備が行われるはるか昔から食品添加物として利用されてきた物だったので、ほとんど規制らしい規制が設定されることなく、利用者が自由に使用できる状態でした。

平成7年、新たに食品添加物の規制対象となった”天然添加物”は 489品目もあり、全ての品目の安全性を一度に確認することができませんでした。

そこで、これらの”天然添加物”に対しては、その安全性の調査研究が実施されるまでの間、経過措置として、今まで通りに使用することができる物質という扱いにしています。

シェラックロウは、この経過措置の対象品目である為、食品添加物として使用することは許可されていますが、その安全性に関しては、まったくの未知数です。

パラフィンワックス(パラフィン)

原油から、色々な分解装置を使って、沸点が違うという性質を利用し、ガソリンや灯油、軽油、アスファルトなどの石油製品を抽出します。

その後の終段の工程で硫黄分やを完全に除去し、精製したものが製品となるパラフィンワックスになります。

常温では固体、加熱すると液体になる、炭素数が 20~40 の炭化水素の混合物、石油精製物なので火をつけると燃えます。

主成分は、直鎖状の炭化水素(炭素が、枝分かれせず直線状に鎖のように結合している炭素と水素から成る化合物)でできています。

副成分として、多環芳香族炭化水素(炭素6個からできる正六角形の環が、多数結合している炭素と水素から成る化合物)も含まれています。

食品添加物としてのパラフィンワックスの安全性については、健康上の懸念はないという見解をしています。

しかし、構成成分のひとつである「多環芳香族炭化水素」には食品添加物としての人に対する健康被害に関する懸念は低いとしているものの、健康被害の可能性を残しているため日本では、食品中に含まれる「多環芳香族炭化水素」の基準値を設定するための研究を進めています。

なお、多環芳香族炭化水素は、タバコや木材などが燃焼する時に生成され、大気中に含まれるこの物質には発癌性があるとして、人類が初めて発見した物質で、有害化学物質に指定されました。

その後はいわゆる環境ホルモンの疑いもある物質としても注目を集めています。

パラフィンワックスの光沢剤としての用途は、ミカンやレモンなどの柑橘系果物の表面塗布、粒状のチョコレートやガム、グミなどの表面コーティング剤として利用されています。

また、サプリメントなどの錠剤表面に塗り、湿気や酸化などから保護するとともに喉につまりにくいよう飲み易くするために使用されています。

液状タイプの流動パラフィンは、皮膚への浸透性がほとんどないので、お肌の水分保持に優れています。

肌への刺激も少なく酸化することが少ないので、乳液やクリームなどのオイル成分として利用されたり、乳化しやすいため親油性増粘剤などの役割でファンデーションや口紅などにも利用されています。

流動パラフィンは、耐熱性があり酸化にも強いので、パン生地や飴などを焼型にくっ付きにくくするとともに、焼きあがった商品が焼型から型崩れせずに剥がれ易くなるように、焼型表面のコーティング剤としても利用されています。

ミツロウ(ビーズワックス)

ミツロウは、ミツバチの巣から蜂蜜を搾り取り、その残りものを加熱圧搾後、融解、濾過して不純物を取り除いて得られた物質です。

なお、ミツバチの巣には以下のような有害物質が含まれていることがあるので、利用に際しては、十分な注意、配慮が必要です。


・ボツリヌス菌

嫌気性菌で、煮沸程度の加熱では死滅しないほどに熱に強い、厄介な細菌です。

1歳未満の乳児がボツリヌス菌を摂取すると、腸管内で菌が増殖しボツリヌス毒素を産生し、全身の筋力が低下する脱力状態になる食中毒症状が現れます。


・アレルギー物質

ミツバチが色々な花から花粉や蜜を採取してきます。それらの中にはアレルギー症状が出る成分が含まれている場合があります。花粉症もアレルギーの一例です。

 

・グラヤノトキシン

グラヤノトキシンは、植物から採取できる毒のひとつで、レンゲツツジやアセビなどのツツジ科の植物に含まれています。

そのため、それらの植物から採取されたハチミツにもこの毒素が混入している可能性が大きいので、蜜源植物には注意が必要です。

主な中毒症状は、めまいや吐き気、嘔吐、口周りの麻痺、血圧低下、心拍異常、痙攣、筋肉調和運動の欠損などです。

しかし、グラヤノトキシン の中毒で死に至るようなことは非常に稀なことで、一般的には24時間以内には症状が収まっています。

なお、国産のハチミツで中毒を起こした症例は確認されていませんが、日本の養蜂業者は、レンゲツツジが茂っている場所でのハチミツは採取しないように気を付けています。

 

主な成分はミツバチが作るワックスで、パルミチン酸ミリシルです。

粘稠性、伸展性が強いという性質があります。

ミツロウ自体は、脂肪酸の一種であるため健康上の心配はありませんが、上に記載した細菌やアレルギー物資、毒性などを含んでいる場合があるので注意が必要です。


ミツロウの光沢剤としての用途で有名なのは、フランス洋菓子のカヌレボルドーです。

熱して溶かしたミツロウを、カヌレボルドーの焼型の内側に薄くコーティングし、焼型が冷えたところでカヌレ生地を型に流し込んで、オーブンで焼き上げます。

また、粘稠性があり伸展性に富んでいるので、熱エタノールなどに溶かしてチョコレートやキャンデーのコーティング剤や、果物表面のツヤを出すとともに防湿効果を高めるために表面皮膜の形成に使われています。

チューインガムの独特の噛み心地(やわらかさ)の調整にも使われています。(ガムベース)

また、保湿効果や油脂を安定させる働きがあるので乳化剤としての効果に優れており、ハンドクリームやリップクリームなどの保湿化粧品の原料として使われます。

ミツロウは、ミツバチが集めた花の蜜を含んでいるので、ハチミツのような甘い香りや、甘みの中にも爽やかな香りなど、花の種類によってさまざまな香りがします。

しかし、ミツロウは水溶性ではないため、口に含んでも味はほとんど感じません。

カルナウバロウ(ブラジルワックス)

ブラジルの熱帯雨林地帯に生育するブラジルロウヤシの葉から採取した、植物性の天然ロウです。

天然植物性ロウのなかでも、ツヤや光沢、強靭性、硬さ、微結晶性などにおいて非常に優れた物質で、油脂や他の油性光沢剤といっしょにまぜて使用されることが多く、その混合物の硬度を調整する機能が高く評価されています。

カルナウバと聞くとカーワックスを思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、カルナウバロウはそのカーワックスの成分としてはたいへん有名で、芳香のあるあの独特な香りが特徴的です。

カーワックスの成分であることからもわかるようにとても丈夫な皮膜を作ります。

また、その融点が高いこともその特長で、摂氏70度近い温度になるまで溶けることはありません。

主成分は、ブラジルヤシから採取した脂肪酸エステル類、α-ヒドロキシセロチン類セリフなどを含んだ化合物の複雑な混合物です。

食品添加物としてのカルナウバロウの安全性に関しては、光沢剤としての利用範囲であれば容認できるとしています。

カルナウバロウの光沢剤としての用途は、ミカンやレモンなどの柑橘系果物の防湿性の向上や、ツヤ出し効果のために表面コーティングワックスとして利用したり、粒状のチョコレートやガムなどのコーティング剤として利用されています。

また、乳化性に優れ、光沢性や防湿性もあり、さらに植物性の天然ロウ製品の中でも、融点が高く非常に硬いので、夏場でも軟化変形しにく性質を利用して、チックや口紅、ファンデーションなどの化粧くずれがしにくい商品として、幅広い化粧品に使用されています。

天然素材で毒性がなく安全性が高いので、無添加化粧品の成分としても多く配合されています。

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