保存料のことを食品添加物というのですか?

2017年5月10日

保存料は食品添加物の1種です。

保存料とは食品が腐敗しないように添加される食品添加物ですが、あらゆる加工食品に使われています。

なぜそれほど加工食品には保存料が使われているのでしょうか?

詳しく調べてみました。

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食品加工会社がもっとも恐れる食中毒を防ぐのが保存料

食品加工会社にとってもっとも恐ろしいのが、食中毒を出すことです。

食中毒は命にもかかわる問題で、大きな食中毒事件になれば会社の存続も危ぶまれます。

記憶に新しいものでは、焼き肉店でユッケを食べて客が食中毒になり5人の死者を出した事件です。

この事件は加工食品ではなく、生で提供した肉に腸管出血性大腸菌O-111が付着していたものです。

食中毒の原因になるのは微生物です。

微生物は真菌と呼ばれるカビや酵母、細菌(バクテリア)、ウイルスがあります。

そしてウイルスと細菌の間の菌として、リケッチャやクラミジアなどがありますが、食品では問題になることがありません。

この菌は空気中にも浮遊しており、あらゆる生鮮食品に付着しています。

この菌を食べ物と一緒に、また浮遊しているものが自然と体に入ってきてます。

僅かな菌が身体に入ってきても免疫があるため食中毒を起こしません。

しかし、この菌が食品を腐敗させ増殖すると食中毒を起こします。

中にはノロウイルスのように、嘔吐物から飛散して人の身体に入り食中毒を起こすような強烈な菌もいます。

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加熱することで死滅する菌、酸素がないと繁殖できない菌など、菌の特性を考えて食中毒の対策は昔からされていましたが、中には過熱しても死滅しない菌、酸素が無くても繁殖出来る菌がいます。

全ての菌が食中毒を起こすわけではありませんが、この菌を死滅、または繁殖できないように研究重ねて作られたのが保存料です。

保存料が出来たことで食中毒が一般的ではなくなった

まだ冷蔵庫が普及していない時代では食中毒は日常的でした。

温度が高いと菌が繁殖しやすいので、食中毒の原因になったのです。

日常的な食中毒とは、腐敗が進んだ食品を食べて下痢を起こすことです。

加工食品でも保存料も使われていなかったので、それほど日持ちがしませんでした。

また今のように豊かな時代ではなかったので、日にちが経っていても捨てるのは勿体ないと食べたのが原因です。

当時は食品添加物もあまり普及してませんでしたので、そのようなことが日常的に起こっていたのです。

死にいたるような食中毒もあるなか、経験値でこれぐらいだったら食べても大丈夫、これは食べたら危ないと素人判断していました。

保存料があらゆる食品で使われるようになり、また衛生面での指導が行き届き、食中毒の発生件数は年々減っています。

保存料は菌を死滅させるものではなく、菌の増殖を妨げるものです。

 

 

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